No.10 大切なもの

札幌学院大学ソフトテニス部をご支援くださっている皆様、陰ながら応援してくれている卒業生の皆さん、懸命に自分を鍛えている現役部員の皆さん、弱い自分に流され本来の目的を見失っている現役部員の皆さん、また止むを得ない事情でラケットを置かざるを得なかった皆さん、そして天国で見守ってくれている皆様、心から申し上げます。

新年明けましておめでとうございます。

新しい希望に満ちた年が明けました。いろいろなことがあった昨年ではありますが、明るい心とすがすがしい空気がすべてを新しくしてくれます。
大晦日やお正月というのは不思議なもので、やり直したり新たにスタートできる大切な区切りの日でもあります。

部員の皆さんそして若い選手の皆さん、弱い自分に負けることなく、小さくてもしっかりと自分自身の目標を掲げ、日々自分を鍛えることこそ本当の生活なのです。
わたしが若かりし頃、よく我が師から「いまが大切なのだ。いま何を考えどう行動するかで人間の価値が決まる。」といつも言われておりました。また「目に見えないものが大切なのだ。目に見えるものははかない。」と・・・。
自分を生んでくれた父母や祖父母を尊敬する心や弱い人に対する思いやりの心・まっすぐに生きている人を応援する心・一生の付き合いである仲間を心底信じる心そして頑張った自分を素直に認める心など。
目に見えるものはいつの日か壊れ無くなっていきます、人間として大切なものを見失ってはいけません。
人間の価値はソフトテニスがチョットばかり上手いとか、過去の成績がどうだとか、お金がたくさんあるとか、役職についているとかはまったく関係ありません。
いまの自分としっかり向き合い、いま何をすべきかを考えそして真っ直ぐに行動できる人こそがすばらしい人間であり、そういう人が充実した人生を送れるのです。
人間ですから間違いもあるでしょう、悩みも尽きないものと思われます。家族を大切にし、仲間や人生の先輩たちと共に人生を渡っていけば怖いものはありません。
この言葉もよく言われました。
「二人は一人に勝る。もし一人にて倒れたるとき、助け起こすものなし。」

昨年、素晴らしい文章に出会いました。北海道のどこかの獣医さんだったでしょうか。若い皆さんの心に残ればと・・・。

 

「幸せの種」

わたしたちはみんな生まれるときに神さまから、ひとつのプレゼントを受け取ります。それは・・・ 「幸せの種」という目には見えないステキな種を心の中に組み込んでもらいます。
そして・・・ 神さまからのプレゼントメッセージは・・・「この幸せの種を大切に育てて、あなたの幸せの花を咲かせてね」幸せの種は心の中で成長してゆきます。栄養分はなんだか分かりますか?それはね・・・ 「感謝の心」なんです。感謝の心を栄養として育つんですね。
幸せの種が発芽するためには・・・ 根が先に成長し始めます。不思議なことに根は暗い方へ暗い方へ伸びてゆきます。そうなんです・・・ 不幸や悲しみや苦しみの世界に伸びていきます。
どうしてだか分かりますか? 不幸や悲しみや苦しみを体験すると・・・今まで何も感じなかったことに対して・・・ 深い感謝の心が湧きだすんです。この感謝の心を栄養として・・・ 種は発芽します。
芽は明るいほうへ明るい方へ伸びてゆきます。不幸や悲しみや苦しみを体験することなく・・・ 感謝の心を持つことなく、どんどん楽しさや喜びを求めると・・・ 感謝の心という栄養がないので・・・ 根が成長せずにやがて花咲くことなく枯れてしまいます。
神さまは・・・ 限りないやさしさとあたたかさで、幸せの花を無事に咲かせるべく、必要な時に必要な分だけのマイナス現象(不幸・悲しみ・苦しみ)を起こしてくださいます。
そのお陰で・・・ 感謝の心を深くすることができて、幸せの花を咲かせることができるんですね。ということは・・・ 不幸や悲しみや苦しみは・・・本当は、自分にとって大切な出来事なんだということが分かりますよね。不幸や悲しみや苦しみが起きた時は、とことんそれを体験した方がいい。
辛い思い・・・ 悲しい思い・・・ 苦しい思い・・・とことん味わってほしい・・・ そして・・・ 味わいつくして、心が落ち着いたら・・・ その不幸や悲しみや苦しみによって、感謝の心が深くなることに感謝してほしい・・・
やがて・・・ その体験のお陰で・・・ 宇宙で唯一つの・・・自分という幸せの花を咲かせることができるのだから・・・わたしたちは、この世界に・・・ 自分という幸せの花を咲かせるために生まれてきました。わたしたちの心の中に組み込まれた幸せの種・・・
不幸や悲しみや苦しみをたくさん体験した人ほど・・・ 感謝の心を深くすることができます。そのお陰で・・・ 幸せの種は、どんどん成長することが出来ます。当たり前におもっていた毎日の平凡な日常に・・・ 満ち溢れている感謝に気づけるようになります。
そして・・・ 感謝が深まるにつれ・・・ 幸せをどんどん感じるようになります。生きているだけで・・・ 楽しくなります。すべてに「ありがとうございます」と感謝するようになります。だって・・・ すべては、自分の幸せの花を咲かせるために起きているんですから・・・
咲かそうね・・・ 自分という・・・ 幸せの花を・・・そして・・・実を結ぼうね・・・ 幸せの実を・・・ この幸せの実の中には・・・ 無数の幸せの種があります。辛いことが起きたら・・・ 感謝の心に気づくためのチャンスです。
悲しいことが起きたら・・・ 感謝の心に気づくためのチャンスです。
苦しいことが起きたら・・・ 感謝の心に気づくためのチャンスです。
すべてのマイナス現象は・・・ 感謝の心に気づくためのチャンスです。

 

我が弟子、「阿部弘樹」が鬼籍に入って今月18日で12年となりました。いまだに部員たちが彼のプレー中の写真を大切に試合会場や合宿会場に持っていってくれます。ありがたいことです。見るたびに教え子や仲間たちの健康を願わずにはいられません。
私たちは「生きていること」や「大好きなソフトテニスを続けられること」そして「学べること」に対する感謝の気持ちが段々と希薄になってきているのかもしれません。この偉大なプレイヤーの志を無駄にすることなくそして彼の分まで有意義な人生を送って欲しいと願っています。

充実した一年でありますように・・・。
初心を大切に・・・。

佐  藤  順  一

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