No.17 新年
外は小雪が舞い散る天気ですが、穏やかな正月となりました。80歳になるお袋が、来て3日も経たないのにもう飽きてしまって明日帰るようです。故郷で一人暮らしですのでちょっと心配なのですが・・・・・。
昨年7月31日、信頼し敬愛していた妻の父「渡辺茂お父さん」がこの世を去りました。享年73才の人生でした。最後は癌が全身に転移し、苦しみながら闘病生活を続けていましたが、死ぬ直前まで周りを気遣う優しい親爺殿でございました。告知することの難しさと転院する難しさはどこの家庭でも同じ悩みだと思われますが、ケースバイケースとはいえ、家族が真剣に考え結論を出さなくてはならない大切な問題であることだけは確かだと思います。もう意識は限りなく薄れている状態であっても、必死に生きようとする懸命な親爺の姿を見ていると命というものを今一度深く考えてしまう自分が確かにそこに居ました。両親・祖父母は最後に自分の死をもって、命の大切さを家族に伝えるといいます。我が息子、甥っ子達は何を感じたのでしょうか。
5月4日のアキレス腱の断裂そして再断裂、11月に全身にできたはじめての蕁麻疹、12月の豪雪時に足をとられての右肩強打による靭帯の損傷など、いろいろなことが起きた一年でありました。年が明け、ようやく机に向かいこの原稿を書く気持ちになりました。若いソフトテニスの仲間たちに、自分の気持ちを素直に伝える心の準備ができたようです。
昨今の天変地異、信じられない凶悪事件の続発などまさしく世紀末のような、目を覆いたくなるような出来事が多発し、予言やら占いやらが、やたらと重宝されている状態が続いています。あくまで参考に留めるべきことなのに、まさに目がそこに注がれてしまっている、不思議な状況であると思います。
確かに運命や避けられないことそして運というものは、あるかもしれませんが、すべての自分の結果は「自分自身の心の中」にあると思うのですが・・・・・・・・。
こうなりたい、こうありたい、こんなことをしたい、こう考えたい、こんな人と出会いたい、こんな恋愛をしたい、こう愛したい、こんな家庭を築きたい、こんな家族でありたい、こんな仕事をしたい、こんな職場でありたい、こんなソフトテニスをしたい、こんなソフトテニスの仲間でありたい、こんな試合をしたい、こんな選手でありたい、そして「こんな仲間と出会いたい」、「こんな仲間と良き人生を歩みたい」等々・・・・・・・・。
すべて自分の心の中に答えがあると思います。人間の価値は過去の栄光でも実績でも、お金の有る無しでも、地位や肩書きでもありません。
「いま何を考え、どう生きているか」でその人間の価値が決まるのです。
自分で決めたことを自分で実行し、判断力と終了後の分析力を磨いていくことも大切な人生修行なのです。皆さんが選んだソフトテニスは様々な角度から皆さんを鍛えてくれます。すべてが貴重な体験となりそれぞれの人生にきっと大きなプラス要素を与えてくれるものと確信しています。ソフトテニスに感謝しかありませんね。何事も判断・行動・分析が大切なのであって、結果はなるようにしかならないのです。結果だけを恐れたり、やる前から自分で結論を出してはいけません。人間である以上たまには休んだり、一歩退いたりすることは有り得ることですが、基本的には仲間そして家族とともに、自分がしっかり「前に進む」しかありません。
人生の中で就職というのは、大きな難関であることは云うまでもありません。男子学生の就職率の低さはいろいろな要因が考えられますが、女性の社会進出(男女雇用均等)や職場での情報化、企業のリストラに伴う正社員の減少化などが上げられます。これらの厳しい条件の中で、自分が納得し夢を持って勤務できる職場、家族が安心できる職場を探していくことは、かなりの努力が必要となってきます。自分だけのアンテナで魅力ある職場を探し当てることは極めて難しい現状であると言わざるを得ません。大学でソフトテニスは終了し、次のステップへ行くことも良いことでしょうし、勤めながらどうしてもソフトテニスを続けていきたいと思うことも良いことだろうと思います。問題は自分の就職だということの自覚だと思うのであります。一年生の大学生活の過ごし方、二年生・三年生そして四年生の過ごし方のプランがしっかりできているかどうかで、殆んど決まるといっても過言ではありません。大学の就職課の職員も企業訪問や会社説明会の就職担当者も札幌学院大学ソフトテニス部の卒業生達もそこのところをしっかり見ているからなのです。そこがポイントなのですね。目標を持って部活動や大学生活を送っているのか、弱い自分に負けていないのか、判断力や分析力はどうなのか、大人と普通に会話ができるのか、聞かれたことに対しポイントを捉えて返答しているか。自分をコントロールすることができるのか等です。
すべてが、本当にすべてがソフトテニスの部活動の中で得ることができることばかりであります。目標もあやふやで怠惰な生活を送り、会話のポイントをつかめず、弱い自分に流されている人間に対し、大学の就職担当職員や企業の採用担当者は良い印象を持つはずがなく、ましてや「良い人材がいたら是非自分の職場に」と思っている卒業生にも複雑な気持ちを抱かせるだけであります。
札幌学院大学ソフトテニス部は何時でもいろいろな職業についている卒業生が身近にいて一緒に練習をしてくれています。私も尊敬している監督やヘッドコーチ、入学前から親身になって接してくれる優秀な4名のコーチ、そして卒業時に一生の思い出になるようにと一人一人に渡すアルバムを作るためにいつも大会会場の片隅にいて写真を撮り続けてくれる部長、心が広く温かい気持ちを持った前助監督、いつも元気いっぱいで卒業生をまとめているOB会長、聡明で経験豊富な札幌学院クラブ代表など、誰でもが部員の皆さんに対し真摯に接してくれています。また北海道上位や全日本上位をめざして一緒に大学コートで練習に励んでいる多くの卒業生の方々から得るものは多いはずです。まさしく毎日が社会勉強であり、就職試験にそのまま活きてくるのです。
どうか今一度自分の置かれている現状を認識し、しっかりと将来を見据え、いま何をすべきかを考えて、そして行動して欲しいと願っています。
真剣に取り組んでいるからこそ、真剣に迷えるのです。だからこそ真剣に人生に向き合っている人と出会えるのだということを忘れないでもらいたいと思っています。
卒業生の皆さん、在校生の皆さん。
どうか人の痛みを知る人間になってください。どうか感謝の心を大切にしてください。どうか初心を忘れないでください。どうか情熱を失わないでください。そして素晴らしき仲間とともに前に進んでください。
自分の心が満たされて、豊かになっていきます。
まとまりのない文になってしまいました。ごめんなさい。
充実した一年でありますよう、悔いの無い一年でありますよう、祈っています。
どう生きるかは、すべて自分の心の中にあります・・・・・・・・。
佐藤 順一