No.20 ドゥエンデ2

今日は第38回北海道学生選手権でした。インカレ予選のシングルスはベスト8中7を占め、団体も8年連続19回目の優勝、天皇杯をかけたダブルスは昨年同様、有力選手が総崩れの中、4年生の金子・土橋が主将組の意地を見せ、決勝は4ー0で初優勝を遂げ、天皇杯出場を決めました。
しかし、12日後に我が部が最大の目標にしている全日本大学王座決定戦に出場が有力視されている中井・新田、室田・田中、向井出・岡田は実力を過信し、相手のチャレンジ精神に受身に周り、堪えきれずにズルズルと相手のペースにはまり、惨めな敗戦でした。

何故「最大の団体戦である王座の前哨戦として気持ちを前面に出し戦わなかったか」
何故「天皇杯に出場する為、自分自身の為に必死で戦わなかったか」
何故「声を限りに応援してくれている仲間やOBの気持ちに気づいて戦わなかったか」

理解できません。王座は一生に4回、天皇杯は出場できない人達が殆どです。指導者の一人として寂しい限りです。これでは授業の遣り繰りや親の負担を乗り越えて一緒に王座(東京都体育館)に行く数十人の仲間達になんと申し開きをするのか、頑張ってきた自分自身の心になんと向き合うのか。

悲しい戦い方でした・・・。

今回も不思議なことがありました。3日前の朝方「土橋主将」の夢を初めて見たのです。内容は優勝して皆に胴上げされ、私に満面の笑みで優勝報告にくる大変リアルな夢でした。その日に土橋と梅根監督に話しをし、会場に行って学連メンバーとペアの金子に夢の話をしましたが、まさか正夢になるとは思いませんでした。生きていると不思議なことが沢山あるものだと改めて思い知らされました。素晴しいノータッチレシーブや試合を決めたスピード感溢れるフォアーボレー、絶対に勝つという執念など。何度か死に掛けてからが強かったのです。

さすが4年生、さすが主将ペアです。

土橋は幾度も辛酸をなめながらも弱い自分と向き合いながらひとつずつ階段を上がってきた心の成長を感じさせながら試合をしていましたし、金子は腰に爆弾を抱えながらも、最上級生としての自覚と北海道学生連盟の技術委員長としての誇りを心に秘め、胸を張って戦ってくれました。下級生に選手権はこうやって戦うのだということを示した素晴しい内容でした。
昨年の王座で日本体育大学大将の松口・小林をまったく相手にしなかった強い勝ち方が思い出されました。一生の思い出になるでしょうし、人生で何かに行き詰った時、今日の自分を思い出して乗り切って欲しいと願っています。
前を向き、諦めず、リードされても食らいついていき、チャンスと見るや怒涛のように攻め込んでいく姿勢を忘れないで下さい。あなたたちが振り返ったとき沢山のキラキラした目をした仲間がいたことを、そこから限りないパワーを貰っていたことを忘れないで下さい。

おめでとう。全日本大学王座決定戦と天皇杯で素晴しいパフォーマンスを見せてくれることを信じています。
下を向いてもなにもありません。前を向いて胸を張って進むことです。新しい道は自らが切り開くしかありません。あなた方の監督、梅根裕一もそういう人生でした。

前進です。

佐藤 順一

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