No.3 東日本選手権

平成6年から順次開催された全国規模の大会(東日本学生選手権・全日本社会人選手権・全日本選手権・全日本学生選手権・東日本選手権)が今回で終了しました。
「故 野村俊彦先生」と道連「佐藤副会長」そして関係各位の皆様の並々ならぬご努力のおかげと心から感謝しております。
無事、最後に結果を出すことが出来ました。ありがとうございます。

東日本選手権、一般男子の優勝は「川島・三浦組」。前日まで、いや当日まで微調整が必要なほどの出来でありましたが、二人の勝ちたいという強い思いと、育ての親「川崎好昭コーチ」の深い愛情そして札幌学院の仲間たちの熱い応援がヤマ場ヤマ場で彼らの背中を押してくれました。
強風の中、基本的な戦法と技術的なチェックそしてネットプレー時のタイミングを何度も繰り返し打ち合わせを行い、それを選手が実行できたことも勝因の一つでありました。
しかし試合中、川島は何度も崩れかけ周りを慌てさせましたが、サービスのスイングの弧そしてストローク時のバックスイングの大きさに支えられたクロス・絞り・ストレートへの打ち分け、そして今大会これで勝とうと決めていた風上からの徹底した攻めで何とか踏みとどまり、相棒の復調に望みを託しました。それにしてもストロークセットが遅く、いつ連続してボレーされてもおかしくない状態ではありました。二日目に入り、周囲のざわめきも少なくなりいくらか心が落ち着いてきたあたりからリズムが良くなり、本来の下半身をうまく使った低い体勢からの重いボールがコントロールできるようになりました。最後は「見えていたが打てなかったセンターへのボール」も収まるようになり70%の出来までもってこれたものと思います。
一方、三浦は先週も調子が上がらず、レシーブを除けば全てのプレーに少しづつの修正が必要な状態でありました。天皇杯が終わってからほとんどの大会で結果が出ず、あせりからの不信感がもたらした初歩的なズレが徐々に大きくなってきたものと思われます。特にポジション・ストップタイミング・相手が自分を確認しているタイミングを確認してモーションを起こす作業等が大きく狂っておりましたが、さすが天才プレイヤーだけあり後半戦は全日本でも白眉のバックレシーブでモチベーションを上げ、最後はスーパー充晴に大変身し、ボールを取りまくってくれました。何とか間に合ったというところでしょうか。

今後は両名ともにチャンピオンとしての自覚と人間としての深みが要求されます。
「自分の考えと自分の行動が一致できるよう」そしてコートを離れると人の痛みがわかる懐の深い人間となり最大の目標である「天皇杯制覇」に向け前進してほしいと願っています。
東日本は終わりました。少しの休みを取ってまた自分との戦いです。

北海道チャンピオンの「高橋・綱渕組」はベスト8でした。本大会での大きな目標でありました北本・斎藤組へのチャレンジは叶いませんでしたが、正念場の5年後に向けて自分を鍛えることがほんの少し出来たものと思われます。惜しむらくはもう一つ勝って川島・三浦組と準決勝を戦って欲しかったというところでしょうか。4本取りでの綱渕のここをとり切るといった強い意志の無さと、それを支えられずに自ら大きく崩れていった高橋にファイナルの激しいぶつかり合いに耐えられるはずも無く、幼く惨めな敗戦でありました。
北海道チャンピオンとしての自覚と行動、そしてモチベーションの維持など、課題は山ほどあります。自らを甘やかすことなく自己を律し、天皇杯に臨んでほしいものです。

今日、この原稿を打っている間に2通のメールが届きました。本人たちの了承は得ていません。ごめんなさい。

 

「今回の東日本選手権は、中村・朝倉、梅根・市川組、高橋・綱渕、そして川島・三浦といろいろな思いがありますが、川島・三浦には素直に祝福して上げたいと思っていますし、高橋・綱渕にも評価してやりたいなと思っています。高橋・綱渕は、来年が重要だと思いますが・・。まあ、優勝と言ってもびっくりするような感じでなくなってますし、道外のメンバーもそう思っていると思います。
梅根さんなんかが、こつこつ積み上げてきたものがここにつながっているなという感じですね。そういう意味では、梅根さんも複雑なのではないかなと思います。梅根さんの前にそういう人がいればという・・・。まあ、それはしかたのない事なのは勿論わかっています。だからこそ、川島・三浦や高橋・綱渕にはその辺のことをわかってほしいと願っています。彼らが先駆者ではないということを・・・。
しかし、やはりベスト8からのステージは、魅力があるしあそこに行けば自分も出来るという気持ちが芽生えますね。自分自身は、今回体調不十分でしたが、調子自体は上がってると思っているので、次に向け朝倉とまた頑張る気持ちは出来ているというか、決してネガティブでありません。
次のチャンスをものに出来るよう挑戦して行きたいと思います。
中村圭二

 

「東日本を終えてベスト8までいけて良かった!というより悔しい思いがやっぱり強いです。
川島・三浦が優勝できたのも僕がベスト8で誰も満足出来ないのも、総監督、梅根監督、市川さん、中村さんをはじめ、多くの先輩方が築き上げてきたものが今回の結果に繋がっているのだと改めて実感しました。また一から頑張っていきたいと思います。ご指導宜しくおねがいします。
札幌学院の組織の中に居ることを誇りに思います。
綱渕 登

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