No.5 山形

「真夏のインターカレッジ・新ルール選手権初開催地・ラフランスの何ともいえない味わい・山寺の荘厳さ・母方の実家」など、山形は印象深いところである。
私の中での日本酒ランキングベスト3である銘酒「雪漫々」もここである。スッキリとした気品漂う酒で何度飲んでも飽きがこない。このお酒の蔵元である出羽桜酒造は天童市。この地は蕎麦もまた絶品である。数ある名店の中でも「水車そば」というお店がいい。古い民家の佇まい、そして一本筋の通った店主の経営理念、これらが蕎麦に生きているようだ。

箸袋に
「子供叱るな来た道だもの、年寄り笑うな行く道だもの。
来た道行く道ふたり道。これから通る今日の道。通り直しのできぬ道。
初め鶴々、後は亀々。」

おいしい蕎麦を食べながら、何かしら嬉しいひとときです。

平成元年の北海道苫小牧インターハイから14年ぶりに長崎インターハイに出かけてきました。幼児殺害事件や原爆投下の季節に重なることなどで、少し気持ちが沈み気味でしたが、古い友人との語らいや新しい人たちとの出会い、そして素晴らしい素質を持った選手たちなど、やはりこの地へ出向かなければ体験できなかったことが沢山ございました。
自然と目は縁のある先生達の教え子を見る機会が多くなりますが、その中でも札幌学院大学に入学が決まった、北海道尚志学園高校の「室田選手」が強く印象に残りました。柔らかさの中にもオーソドックスな力強さがあり、もう少し打点を調整したコントロールショットと強打のバランスが体に染み付いてくると、一般男子になっても十分全日本の上位に進出できるものと思われます。見事な個人戦ベスト8でした。

室田選手の試合を見ていると、突然2名の選手の素晴らしいプレーが私の視界に飛び込んできました。隣のコート、たしか8コートでしたか・・・。

ひとりは竹のようなしなやかさを持ち、見るものを強烈に引き付け、類稀なセンスを感じさせる若者でした。まるで牛若丸のような雰囲気をもった選手でありました。
もうひとりは、ひたすら真摯に相手と向き合い、寡黙に前に前にと進む、勝負のできる誠実そうな若者でありました。爽やかな弁慶のような感じでしょうか。
何処の高校だろう。何方が教えているのだろう。強い興味を抱いて魅了されながら見させていただきました。
山形中央高校の渡辺智隆先生が教えられている、「武田歩くん 1年生」そして「森大輔くん 3年生」でした。
渡辺先生の紹介で両選手と少し話すことができましたが、勝負に向かう姿勢、そして誠実さがにじみ出ておりました。素直にソフトテニスに向き合えるということは素晴らしいことです。先生に敬意を表したいと思います。
もう少し上位を狙っていたものと推察いたしますが、見事な団体・個人ベスト16でした。国体での大活躍をお祈りいたします。

惹きつけられるポイントは選手の目に勢いと力があることです。
年齢は関係ありませんね。

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