No.21 王座へ

肌寒さの中にも、陽春の輝きを感じる今日この頃です。
まもなく我々は1年で一番素敵な季節を迎えます。5月は生命の息吹を最も強く感じさせてくれる月で、もうすぐ札幌でも梅の花が気高く咲き誇り、私の住んでいる街でも桜の花が一斉に咲き乱れます。
人々は長い寒さから解放され、外へ外へと向かう大切な季節なのです。私は「皐月」といわれるこの月が大好きで、なにかしら心が弾むのです。家族と同様な人達が生まれた月であることも影響しているのかもしれません。

一期一会という言葉を持つ我々にとって「出会い」はことのほか素晴らしく、数限られた「出会い」が運命的なものに転じていく凄さを感じています。
今年3月で卒業した土橋敏拓前主将から、在校生に向けた素晴しい一文が届きました。彼の真摯な姿勢が心を打ちます。

「今思うこと、伝えたいこと」

4月に入って約一ヶ月が経ち、ようやく日々の生活にも慣れてきました。OBの方がおっしゃる通りやっぱり社会は厳しいです。その中でテニスを続けている方は本当に凄いなと感じています。今私は仙台市の隣街、名取市にある約2ヶ月前にオープンしたダイヤモンドシティ・エアリという商業施設の中で、高橋英幸(タカハシヒデユキ)店長の下で毎日大変ではありますが充実した毎日を過ごしています
先ほど厳しいと書きましたが、辛くはないです。それは4年間札幌学院大学ソフトテニス部で学んだ事があるからです。もちろん主将を務めた経験も大きいです。特に私が学んで得たものは、弱い自分に負けないこと、感謝の心、そして宝をみつけたことです。
弱い自分に負けないとは、最近覚えた克己という言葉が一番しっくりきます。常に己を戒め常に全力で真剣勝負をし、高みを目指していくこと。これを佐藤総監督、なにより梅根監督の背中を見て学びました。ここまでやるのかと何度も思わされました。けれどそのおかげで今の自分がありますし、何より梅根監督を今でも越したいと考えています。
次に感謝の心と宝です。今まで出会った全ての人達のお陰で今の自分があるということ。何より大切な同期。厳しい時間を共に励み、苦しいときそして嬉しいときに一緒に泣いた仲間。本当にありがとう。何かの偶然が重なり合い札幌学院大学に縁があった仲間に出会えたことに本当に感謝です。目に見えないもので特に繋がっている13人の同期そして後輩や先輩方。この繋がりを大切にしていきたいです。

後輩のみんなには沢山伝えたいことがありますが、普段言われないような事を伝えたいと思います。
まずは一番好きなテニスを恋人と思えるぐらいやってください。まず①テニスに対して感覚を鋭敏にする事②研究心を持つ事③創意工夫の努力を惜しまない事④不屈の精神を持つ事⑤苦痛を楽しめるようになる事⑥成就したイメージを抱く事等々…さて何個あてはまりましたか?早い段階でこれに気付けた選手は幸せです。
そして次に頭でっかちにならず思い切りやってください。
あの野球で有名な長嶋監督のデビュー戦は4打席4三振全てフルスイングだったそうです。失敗を恐れず前に進むことです。今ある壁に立ち向かえば課題となり、背を向ければ悩みとなります。失敗してチャンスを逃したとしても、全力で立ち向かった人には必ず次のチャンスが見えます。
最後にこれだけは絶対に伝えたいのですが、情熱を注ぎ仲間と過ごした時間は財産です。それも貴重で大きな財産です。これは4年間やりきった人にしかわかりません。

参考になるかはわかりませんが、何かのプラスになれば幸いです。
先程も書きましたが、同期は一生の宝です。親友でありライバルであり本当に大切なもので、もう自分という人間になくてはならない存在になっています。

一年前の今日は朝練を開始した日で、2ペアしかこないうえにメチャクチャ風が強く寒かったので、ポンポンをしてすぐ帰りました。そして団体練習が終わった後、夜に金子と走っていたらOBの館山さんと偶然会った事など鮮明に覚えています。
今学生は春季に向けて皆で頑張っている頃だと思います。できれば見に行きたいですけどかなり厳しいです。
春季は1~4年生全員が同じ方向を見ていないと辛いです。今やらないとダメな時期です。少しでも余力を残した状態であのコートに入ったら迷いが生じます。やりきるためにも、出し切るためにも特に4年生新田主将を中心にさらに頑張って下さい。

少し長くなり、とめどのない話になりまして申し訳ありません。やっぱり自分の気持ちを言葉にするのはすごく難しいです。でもこれも良い勉強の機会だと思って書きました。
今私は保険の業界を変えるために日夜寝る間を惜しんで努力しています。後数年で保険の業界全体が大きく変わろうとしています。その中をいま先駆けている会社(保険市場・アドバンスクリエイト)を私は選びました。確かに辛い部分はありますが、その分自分が成長できる会社です。
今私はテニスができる状態ではないです。でも本当は思い切りテニスもしたいです、けど今は仕事が恋人に変わりつつあります。仕事だけの人間になるつもりはありませんが、今までテニスに注いだ情熱が仕事に変わったという感じです。
札幌学院大学ソフトテニス部で学んだ事をいかして、精一杯楽しんで、毎日真剣勝負でいきたいと思います。
以上です。

H19.4.24 土橋 敏拓

 

入学時から心が純粋で、ソフトテニスに真直ぐ向き合っていた爽やかな若者でした。
梅根監督を心から敬愛しているのが良く分かりますね。二人とも幸福です。

在校生の皆さん、この文から何かを感じ取って戦って下さい。
すべてが終わったときに後悔だけはしないように・・・・・・・・。

さあ王座へ!!!

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